ベーチェット病の症状
ベーチェット病の主症状
- 口腔内アフタ性潰瘍(口内炎)
- ほぼ必発で初期症状として出現することが多いです。
- 治癒しても繰り返し出現します。
- 皮膚症状
- 毛嚢炎様皮疹は、にきびに似た痤瘡様皮疹です。中心に膿をもつ事があって、顔面や頭部などに繰り返し出現します。
- 結節性紅斑は、赤く盛り上がった皮疹です。特に下肢に多く出現しやすく、押すと硬く痛みがあります。
- 眼症状
- 前眼部に炎症が起こる虹彩毛様体炎は、視力低下や目のかすみ、充血、眼の痛み、飛蚊症(蚊が飛んでいるような黒い斑点)などが出現します。眼球の前房に膿が溜まった状態の前房蓄膿性虹彩毛様体炎の場合は、特徴的な臨床所見です。前眼部型は、基本的に炎症が治まれば視力は回復します。
- 後眼部の症状では、炎症が著しい場合や出血を伴った場合は、視力低下や視野異常が生じます。眼底に繰り返し激しい炎症を起こした場合は、失明することがあります。
- 外陰部潰瘍
- 男性は陰嚢、陰茎、亀頭に、女性は大小陰唇や膣粘膜にできる有痛性の潰瘍です。外見は口腔内アフタ性潰瘍に似ています。
- 痛みが激しい場合は歩行が困難になる場合があります。治癒しても瘢痕を残すことがあります。
ベーチェット病の副症状
- 関節炎
- 副症状の中で最も頻度が高く、手足・膝・肘などの大中関節に痛みや腫れなどがあります。
- 1~2週間ぐらいで軽快し、繰り返しても慢性関節リウマチのような関節の変形や骨の変化はありません。
- 副睾丸炎
- 男性の約1割に見られます。痛みや腫れがあり2~3週間で軽快します。
- 消化器病変(腸管型)
- 特に回盲部(小腸と大腸の接合部分で右下腹部)に潰瘍が多発し、激しい腹痛や下痢、下血など症状があります。時には、穿孔する場合もあります。このような消化器病変がみられる場合を腸管型ベーチェット病とよびます。
- 血管病変(血管型)
- 動脈系より静脈系に頻度が高いです。大中型の血管の動静脈の炎症や血栓によって、血管の閉塞や動静脈瘤ができます。このような血管病変が見られる場合を血管型ベーチェット病とよびます。
- 中枢神経病変(神経型)
- 脳の病変部により片麻痺、言語障害、運動障害、精神障害などの症状がみられます。このような中枢神経病変が見られる場合を神経型ベーチェット病とよびます。
消化器病変(腸管型)・血管病変(血管型)・中枢神経病変(神経型)の症状を特殊病変(特殊型)と呼びます。
写真提供:ベーチェット病友の会神奈川県支部